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世のうちそと

 ピエール・ボナールの芸術

ピエール・ボナールの芸術
日常の中に新鮮な詩情を見出す

ピエール・ボナールは1867年、役人の家の第2子としてパリ近郊に生まれた。22歳のとき画家として生きることを決意、ゴーギャンを信奉する「ナビ派」に参加。26歳のときマルトと恋人になる。

彼は恋人マルトのいる風景を描き続け、一緒に暮らした。マルトは病弱で一日に何度も入浴し、世間との付き合いを好まず、画家仲間を近づけなかった。58歳で妻マルトと正式に結婚、1942年にマルトは亡くなる。平穏な生涯だったといえそうである。

が、天涯孤独のはずのマルトの死後、姪と名乗る見ず知らずの女性から遺産を要求され、結果的には財産の半分を渡す羽目に陥った。こうした逸話はどこか不幸な晩年のイメージがついて回る。

ともあれボナールという画家は自由に夢中に描いた。生きる喜びが伝わってくる絵である。

ボナールの絵の主題は日常の生活の一部を切り取ったものだ。一見は気がつかないが堅牢な画面構成だ。色彩は魔術的であり、感受性豊かな新鮮な詩情に満ち溢れている。

宥和な色調でみずみずしい感覚にあふれている。色と色との関係は明度と純度が際立っている。色彩画家と呼ばれたとおり、気品ある色調である。

それはまるで春の打ち上げ花火を自分の部屋から見ているような絵との比喩を献上したい気持ちになる。今時の花火の色彩は実にキレイだ。一瞬が輝いて残された人の記憶にしっかりと残る。

絵の中の犬や少女の愛らしさを見ていると幸せのおすそ分けをいただいた気持ちになる。浴槽の裸婦は数多く描かれたが、いやらしくはない。

一方、絵と違ってボナールの言葉は観念的である。理解することは容易ではない。わかりやすい例をあげる。

「見えるものすべてが君を喜ばすわけではない。画家がとらえ、作品の中に組み込んだきわめて快い関係に驚嘆させられるのは、あらゆるものから美しさを抽出することができるからである」。

なるほどと思う。

画家が描く対象をどうとらえたか、ということは大事なことで、それを確認するためにはデッサンが大事だ、日常のなにげない情景のなかにも魅惑的なものを見いだすのは画家の眼力でもあるからだ。

ボナールはハンディな小型カメラを持ちスナップ写真に夢中だった。その写真を参考にして絵の構想を練った。撮影から絵の完成までに10年近くかかった作品も多い。

このため、細部の記憶を呼び起こすために写真を利用したことも考えられる。研究を重ね、悩み苦しみながら色を塗り重ね、形をつくるのに格闘していた。その上での彼の絵なのである。

日常という魅惑あるテーマで「ボナールの庭、マティスの室内」が昨年9月12日から3月7日まで箱根のポーラ美術館で開かれた。ボナールの後期の作品の色遣いは独特なもので藍、青、緑、紫の寒色系と、薔薇色、黄色、オレンジの暖色系の2つの系統によって構成されている。

これが見るものには、光溢れる幸福感に誘ってくれたのだ。

( 2010/04/01 )

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