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緑風

 ジャニーは天国にいる

長いカウンターが特徴の居酒屋へ繰り出した。店には先客が一人。われら夫婦は出入り口近くに座わり飲み物を注文する。客は3人きりである。いちばん遠くにいる若い男のきぜわしい動きが気になる。妻も「あの人何なのかしら、こっちを見てサインを送ってくるけど、知っている方?」「いや知らない」。おかみさんにたずねると「ジャニーズのタレントみたい。
タレントといえば、いま、世間を騒がせているのが、ジャニーズ事務所の性加害問題に端を発した騒ぎである。事務所が「SMILE-UP.(スマイルアップ)」に名称を変更、その後、役割を終えたのちに廃業するという。「社名を変更そして、タレント・マネージメント・育成の業務からは完全に撤退する。今後は被害者の補償と救済に専念し、その業務が終了次第、廃業することを発表した。長い間だまを決め込んでいたマスコミはここぞとばかりに取り上げ、とどまるところは視界不明である。タレント500人以上がモノを申すとなれば、混乱は簡単には収まらない。帝国は崩壊するに違いない。有名タレントは退所し他のプロダクションに移籍するだろうし、誹謗中傷も後を絶たないはずだ。それでも、タレントになりたいという若い人がいなくなるとはない。報道する側も自由を第一に掲げているが、これまでもこれからも当然のこと限界があるものである。それでもこの騒ぎはいずれ収まる。
ジャニーズ事務所は巨大になりすぎた。風船だって含まらせると臨界点はある。人々に夢を売る芸能産業はこれからも人気商売だ。
 熱海の客だけではない。タレントだって無名の人たちが圧倒的に多い。心配することは何もない。有名になる日をいのるだけである。

( 2023/10/15 )

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