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終着駅、消える
12月に入っての1週は増毛駅が消えるというニュースが全国を駆け巡った。NHKはじめ、各新聞社も こぞって大きく報じた。日本海沿いを走り、歴史を刻んできたJR留萌線(留萌―増毛間、16.7��)が5日、95年の歴史に幕を下ろしたのだ。ラストランとなった前日4日は、大勢の鉄道ファンが乗り込み、町民ら1,000人が別れを惜しんだ。お別れセレモニーでは、「てっちゃんを自認する」堀町長が「最後に立ち会うのは非常に寂しくつらい」と声を震わせた。増毛町のマスコットキャラクターはカモメのマーシー君。ぬいぐるみももらい泣きしたという。増毛はアイヌ語でカモメが多いという意味。カモメの群れの波下にはニシンの群泳があった 春3月ともなれば、ニシンは大漁で町は活況を呈した。その繁栄ぶりは「増毛の春は江戸にもない」とうたわれたそうな。昭和20年代後半にニシンの大群は消えた。それでも繁栄の片りんは町の名前に留まっている。 今では髪の毛の聖地というほうが有名だ。 増毛町の市街は水の街である。山から流れてくる伏流水の恩恵を受けて町は水が縦横に走っている。疏水に囲まれた街であり、北の小京都とも呼ばれている。 休日ともなれば、札幌、旭川といった都市から自家用車がたくさんやってくる。日本最北端の酒造、りんご生産北限の地、なんだってある。 今は鉄道が無くなることで脚光を浴びた。 。2014年のデータでは100円を稼ぐために経費は4,554円かかる。年間約1億6,000万円の赤字を計上していた。経営経済がだめになればすべては絵空事になる。みな背に腹は代えられぬという。
「さいはての駅に降り立ち雪明かり寂しき町にあゆみいりにき」啄木の和歌で電車が無くなれば、足をおろす場所もない。 北の果ての終着駅となれば、とかく流れ者がながれ着く暗い街のイメージだと思う。高倉健さんの番外地のイメージも徐々にではあるが、ロケ地としての思い出も薄まっていくに違いない。が、終着駅を返上したこれからは、生き生きとした昔の街に蘇りをはかりたい。なぜこんなコラムを書いているのか。この町はわたしが10代まで住んだ懐かしの街」だから、わかれのあいさつのつもりで書いた。だれにでも故郷はあるものだから。
( 2016/12/15 )
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