松田 武彦 (社)東京都造園緑化業協会理事
順位をつける辛さ痛感
今回のみどり提言賞は街、花、エコの三つのテーマとなっているが、賞の性格上明確な審査基準があるわけでなく、どのように評価するか苦慮した。そこで、第一に提言賞というからは提言としてふさわしい内容であるかどうか、第二として「この街のここがすき」では地域との関りに主体性と積極性があるか、「私の花のある生活」ではその人の想いが体験的に語られているか、「こんなエコ製品がほしい」では、新しい発想であるかどうかを基準において審査することにしたが、あらかじめ編集部によって36点にセレクトされた作品を読むとそれぞれの思いが込められていて、順位をつけなければならないことの辛さを改めて感じた次第である。私としては、小林さんの「緑のカーテン」は小学生の活動が紹介され、文明の力に頼らず、自然とのふれあいを大切にする子供たちの取り組みが小気味よく語られていたところを高く評価した。最終的にも委員全員の合意により最優秀賞に決定されたところある。佳作2点には、古本さんの「私のりんごの花」、小沼さんの「赤ちゃんと地球にやさしい紙おむつ」が選出されたが、この他にも甲乙付け難い作品が多く大いに難航したのである。
残念ながら選考にもれた作品としては土田さんの「花から得るもの」での、ガソリンスタンドを花で飾ろうとする若人像や、奥山さんの公園の存在価値そのものが「エコ製品」であるとの主張には共感を覚えた。今回審査員の末席で作品を拝読したが、多くの方々が緑・花への愛着をもち、身近な生活の場を通して環境問題を真剣に考え、自ら行動している様子が伝わってきた。緑花関係者の一人として今までに寄せられた多くの提言を参考にさせて頂き、さらにより良い都市環境の改善に努力していきたいと思っている。
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